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Newgrange
Passage Tomb
Co. Meath
O006727

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ニューグレンジはpassage tomb=入り口から石室まで長い通路のある、マウンド状の墳墓だ。写真は入り口正面だが、見事な渦巻き模様を刻んだ大石が安置されている。内部へと続く細い通路は登り坂になっていて、道の先の石室は十字型に三つに分かれている。石室上部の天井は持ち送り式に岩を組み上げた堅牢な作りで、通路と石室の上部の石組には、中に水が入らないよう排水用の溝が掘られるなど、非常に高度な建築技術が用いられている。内部の壁や天井にも渦巻きや同心円、波形などの模様が多く彫り込まれて、さらに石室のひとつには大きな岩を浅い鉢状に彫り上げた、用途不明の祭祀の用具らしきものが置かれていた。(内部は基本的に撮影禁止なので、詳しくはリンクページにあるKnowth.comなどを参照のこと)。アイルランド北部には新石器時代の墳丘が数多く残っているが、それらはトゥアタ・デー・ダナン(ダーナ神族)という魔術を能くするアイルランド最古の神族の住む世界とされていた。特にニューグレンジ周辺はブルー・ナ・ボーネ(ボインの家)と呼ばれ、「善き神」ダグダ、その息子のオイングスなど、神話の主要な登場人物の住処であった。中には実りの絶えない三本の果樹、食べ物が無尽蔵に出てくる大釜などのある、不老不死の世界があると考えられていた。『アイルランド来寇の書』では、ダーナ神族はスペインからアイルランドに入ったノアの子孫のミールの息子たち(現在のアイルランド人の祖先)に敗れ、地下世界に生きる妖精のような存在になったと説明している。ボイン渓谷の墳墓群の中には異界が広がっていると考えられていたのだ。