<< PREVIOUS PAGE II NEXT PAGE >>

The Merry Maidens
Stone Circle
Cornwall
SW 433245

P.1  P.2  P.3

規模は小さいがコーンウォールで最も保存状態の良いサークルといえる。直径約24メートルのサークルはきれいな円形をなしていて、19の花崗岩が等間隔に並んでいる。写真手前の岩と岩の間隔が開いている部分がかつての入り口だったかもしれない。メリー・メイデンズ=「陽気な娘たち」という名は、日曜日に教会にも行かず、野原で踊っていた娘たちが石に変えられたという、「安息日破り」の言い伝えからきている。遊んでいた娘たちの前に楽士の姿をした悪魔が現れ、娘たちが曲に合わせて踊り楽しんでいると、娘も悪魔も雷にうたれて石になってしまったというものだ。近くにPipers=「笛吹きたち」と呼ばれるスタンディングストーンがあるが、これらは逃げる途中で石に変えられた悪魔たちだとも言われている。
安息日に踊ったり歌ったりという享楽的な行ないをしたために石に変えられたという話は、イングランド各地に残る言い伝えだが、16、7世紀のプロテスタンティズムの勃興とともに流布した、新しい伝説とみられている。最も原理主義的で、世俗的な妥協を許そうとしなかった一群は清教徒=ピューリタンと呼ばれたが、彼らが国教会の内部である程度の力を持っていた時期に、こうした「安息日の戒律破りへの天罰」というストーリーが出来上がったと考えられているのだ。歌舞音曲などの娯楽も敵視する禁欲主義が広まるなか、安息日に踊る女性たちというのは、許し難い、堕落の象徴のようなイメージだったに違いない。