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Rollright Stones
Stone Circle, Standing Stone
Oxfordshire
SP 296308

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Rollright StonesはサークルKing's Men、立石The King Stone、崩れたドルメンWhispering Kightsからなる。The King's Menは小規模だが均整のとれたサークルで、石はきれいな円形に並んでいる。直径30メートルほどで、岩は22個だが、かつては80ほどの岩が隙間無くぴったりと並べられていたとみられている。年代は資料によって紀元前15〜19世紀ころの青銅器時代、または紀元前3000年ほどの最も古い部類のサークルと特定がまちまちで、どちらが有力な説なのかわからない。この遺跡は怪奇なフォークロアの宝庫だ。最も有名な言い伝えはデーン人の王の物語で、次のようなものだ。
昔デーン人(ヴァイキング)の王がイングランド征服の野望を抱いて兵を率い、ロング・コンプトンに向かって見晴らしの良い丘の上に出ようとしたとき、一人の魔女が立ちはだかり、こう告げた。
「ここから七歩歩いたところでお前にロング・コンプトンの町が見えたなら、お前はイングランドの王になるだろう」
王は二、三歩歩いて丘の頂上に出ればロング・コンプトンが見えると知っていたので、確信を持って「では間違いなく、私はイングランドの王になるだろう」と言って七歩歩くと、突然地面が彼の前にせり上がり、視界を遮ってしまった。
「七歩歩いて見えなかったのだから、お前はイングランドの王にはなれないよ。そこで固まって石になってしまうがいい」と魔女が叫ぶと、王はキング・ストーンに、王の兵たちはストーンサークルのキングズ・メンに変えられ、それらを隔てる生け垣のようにして魔女はニワトコの木になった。少し離れたところで王への反逆を謀議していた騎士(王のために祈っている家臣たちとも言われる)たちがウィスパリング・ナイツ=「囁く騎士たち」だと言われている。
魔女が化けたニワトコは、花が咲く時期に枝を折ってもし血が流れたら、痛みで魔女の呪いが一瞬解け、キング・ストーンの首が動くと言われていた。近隣の人々はかつて夏至の日の前の夕暮れに集って枝を折り、初夏の夜風にあたりながらビールなどを飲みつつ宴を楽しんだという。また、深夜一二時の鐘の音とともに魔法が一時的に解けキングズ・メンは人間に戻って手をつないで空を舞う、または近くの泉まで水を飲みにいくと言われ、これを見た者は気がふれる、あるいは死ぬという言い伝えもある。
この遺跡は70年代に活動したブリティッシュ・ロック・バンド、トラフィックの曲にもなっている。